ベストディスク2016 A Long Day/ミツメ
来週、岡村詩野さんの音楽ライター講座を受講しに行く。目的は
①いちユーザーとは違う音楽の聴き方を学びたいこと
②聴いたり感じたものを効果的に魅力的に表現できるようになりたいこと
③幅広い知識を身につけたいこと
④現場から頭ひとつ飛び出したいということ
そして、⑤たのしそうだから。
授業では、2016年にリリースされた楽曲をひとつ取り上げて、それについて縦や横のつながりや立ち位置、歴史的背景から作品の理解を深めていくというもの。実際その場でアドバイスをもらいながら執筆を進める。
そこでわたしが取り上げようと思っている2016ベスト・ディスクはミツメの「A Long Day」。今回はA Long Dayについて4人のインタビューを読み返し、改めて聞き込んで、ここにまとめてみようと思う。
実はミツメを初めて聞いたのも見たのも今年に入ってからか、去年の年末だった。
ミツメのA Long Dayは、完全再現ライブを見にwwwに行った。事前にアップルミュージックで聴いていたけど、「漂う船」辺りのまおくんギターがぴゃーんぴゃーんと続くインストに不気味さを感じたという印象があった。見に来ていた王舟がTwitterで「途中意味不明で最高だった」とツイートしていて、本当にこれだ!と首を縦に振りまくった。意味不明で最高だった。
この作品はいろんなメディアのインタビューで、「自分たち4人だけで演奏できる音だけで作った」としきりに話していた。「ささやき」では多重録音でいろんな楽器をたくさん使っていたから、ささやきツアーにも拘らずライブで演奏できた曲が数曲しかなかったと言っていた。だからよりライブの音とCDの音に乖離が出ないように作ろうとした作品だと。
わたしは個人的にciderciderや怪物みたいにまおくんのシンセパートが入ってる曲が好きなんだけど、A Long Dayのもっともポップな「あこがれ」にもシンセは入ってない。
でも相変わらず大好きなギターの細かな掛け合いがあって、たまらない。
A Long Dayは「平凡で何も起きない一日。でも後から振り返るとそんな一日が輝いて見える」というようなコメントを川辺さんがしていた。全体的に不穏な匂いも漂っているというようなことも話していたような。
A Long Day要素
・音数を減らした
・4人の演奏がちゃんと聞こえる構成(誰がなにをひいているか)
・不穏なムードと混沌さ
・デモ段階で作り込まずそれぞれが意見出してつくった
・バンドの理想形
・歌詞はこれまでより耳に残るセンテンスが増えた
・危ういバランスと攻め
・ファンク要素
ミツメ
・2本のギターカッティング
・シンセの音色
・音数少ないスカスカ
・マイペースな活動
・仲がいい
・向く先が国外
わたしが個人的にこれまでライブを見たり音楽を聴いたりインタビューを読むなかで感じたことは、「自分たちの特徴や個性の魅せ方に優れている」。写真やミュージックビデオを見ても音をきいてもMCでも、ミツメに求めるものをハズさずいつも明中させてくれている。世間が求めるミツメをちゃんと出してくれる。それは既成的なことやつまらないことじゃなくて、自分たちの良さをちゃんとわかっているセルフプロデュースの賜物なのかと思っている。4人のバランスも申し分なし。
立ち位置として、まず影響を受けているアーティストでいうとプリンスが出てくる。思考は海外に向いていて似たサウンドは日本にあまり聞かない気がしている。
若手のクリエーター界隈とつながりが強そうなのと、インディーポップのシャムキャッツ、スカート、なつやすみバンド、王舟、トリプルファイヤー、カクバリズム界隈のceroやVIDEO TAPE MUSICとも交友がありそう。
cero高城くんもラジオで天気予報かけてたし、オラリーもアルバム評価してたし、上世代からもかなり認められてて演奏も上手。
7月ごろの音楽雑誌をブックオフに漁りに行ってもう少し詳しく勉強してみよう。まだまだミツメ熱は冷めない!
このMVいま初めて見て衝撃的だった。
オブジェ/ミツメ